katatumuri

梅雨の時期になると公園やコンクリートの塀にどこからともなく現れるナメクジやかたつむり。

 

ツンっと出た触角をさわるとピュッとひっこむのが楽しくて、子供のころにはつかまえて遊んだりした人もいるかと思います。

 

しかしこのカタツムリやナメクジ、実は素手で触ると思わぬ寄生虫の危険があるかもしれないってご存知でしたか?

私も知ったのは大人になってからなのですが、運が悪いと死に至ることもあるそうで…(!)

子供ってナメクジなどを見ると無邪気に触ってしまうこともありますよね。

 

可能性は低いとはいえ、あまり知られていなくて危険だと思ったので、この寄生虫について詳しく調べてみました。

 

【目次】
・カタツムリやナメクジに寄生する寄生虫について
・どんな症状が現れるのか・潜伏期間は?
・具体的な予防・対処法

 

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カタツムリ・ナメクジに付着する寄生虫とは?宿主は?

 

カタツムリやナメクジに寄生しているかもしれない虫は「広東住血線虫」といいます。

外見はこんなヤツです↓

 出典元

 

広東住血線虫は体長約22~23mmの線虫で、主にドブネズミなどのネズミを終宿主、ナメクジやカタツムリなどを中間宿主とする寄生虫です。

 

幼虫→成虫→卵 の生活環のうち、幼虫の時期を中間宿主(ナメクジなど)の体内ですごし、捕食などで終宿主(ネズミ)の体内に入った時点で成長して卵を産みます。

 

普通はその卵がまた中間宿主のえさになり・・・という延々ループを行うわけですが、この中間宿主に寄生した幼虫をヒトが食べてしまうと、成虫になりきらない幼虫の状態で脳や脊髄のあたりに移動し、好酸球性髄膜脳炎という病気を引き起こす原因となってしまいます。

ちなみに、ネズミを食べることはそうそうないと思いますがネズミを食べたり触ったりした場合でも同様の危険がありますのでご注意を!

 

 

日本での死亡例は過去一件、平成12年に沖縄で起こっています。

他にも全国各地で感染報告はありますが、その数は多くはありません。

 

ちなみにこの広東住血線虫の感染・死亡報告が一番多いのはタイ・次いで中国だそうです。

日本ではあまり文化がありませんが、中国やタイでは中間宿主である巻貝を生で食べる習慣があるため、感染例が多いみたいですね。

 

日本では、死亡例も出た沖縄が特に危険

中間宿主となるカタツムリの種類・アフリカマイマイが日本で唯一生息しています。

Snail in Ubud, Bali, 2010 (1).jpg 出典元

からの巻き方が本土で良く見かけるカタツムリとは違うのでわかりやすいですね。

他にも沖縄だけに生息する中間宿主は多いので旅行の際には要注意です。

 

ナメクジでよく中間宿主として報告される「チャコウラナメクジ」も沖縄には多く分布しています。

この「チャコウラナメクジ」は本土でも中部地方くらいまでは分布しているので気を付けましょう。

 出典元

 

また、ナメクジやカタツムリ以外にタニシやカエルも中間宿主となります。

Bufo gargarizans profile.jpg アジアヒキガエル(出典元

Bertha.jpgリンゴガイ(ジャンボタニシ)(出典元

 

いずれも本土にはあまり見られない種で、沖縄でも対策として検疫を行っているのであまり危険はないように思いますが、本土での感染報告例もあります。

旅行・運送などどこから紛れ込むともわかりませんので注意しておきましょう!

 

 

どんな症状が現れるのか?潜伏期間は?

 

前述のとおり、幼虫がヒトの体内に入ってしまうとその幼虫は成虫になることなく、幼虫のまま脳や脊髄のあたりに移動します。

 

ヒトは終宿主ではないためそのまま成虫にはならず、一生を終えるのですが、脳や脊髄で生活するわけですから死ぬまでの間に、出血・肉芽腫形成・性好酸球性脳脊髄膜炎などの病気を引き起こすことがあるのです。

一般にこの線虫によって引き起こされる症状を「広東住血線虫症」と呼びます。

 

もしこの幼虫を食べてしまった場合、症状がでるまでの潜伏期間は2~35日(平均16日)

 

発熱・嘔吐・脳神経麻痺・嘔吐・四肢の硬直・複視・筋力低下など様々な症状を引き起こし、最悪死に至ります。

 

寄生虫に対する有効な治療法はないものの、対処療法(寄生虫ではなく病気にならないための対処)は可能なので疑わしい症状がでたら早めにお医者さんにかかり、「寄生虫の可能性」があることを伝えましょう。

病気を抑えていれば、しばらくすれば幼虫は自然と死滅します。

 

 

 

予防・対処法は?

 

まず絶対条件として、ナメクジやカタツムリ・カエル・タニシなど宿主の危険があるものは生食しないこと!

日本でこれらを生で食べる人はそうそういないと思いますが、寄生虫の危険もあるので絶対にやめましょう。

 

それでもどうしても食べたい場合は、よく加熱すること。

寄生虫は熱に弱いため、煮るなり焼くなりの加熱調理をすれば幼虫は死滅します。

 

あとは、これらの生物に触った場合はすぐに手をよく洗いましょう。

これらは知っていれば簡単に注意することができますね。

 

気を付けたいのはこれらの宿主が接触したことで寄生虫が付着してしまった野菜

ナメクジが通ったキャベツやレタスなどを洗わずに生で食べると大変危険です。

店で売られているものはそうそう危険はないと思いますが、直売所や自家栽培のものは特に要注意!

生野菜はしっかり洗って食べましょう。

 
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いかがでしたか?

本土での報告例が少ないとはいえ、全国各地で報告があり、感染の危険のある広東住血線虫。

 

しっかりとした知識をもって、これからの梅雨の時期を迎えましょう!

 

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