春になると地面を彩るハルジオンとヒメジョオン。
正直この二種類の花、とっても似ていますよね。
2種類あるというのは知っていてもなかなかぱっと見分けるのは難しいものです。
でも、逆にもし子供や彼女にサラっと「これはハルジオンの方だね、なぜなら・・・」とかかっこよく言えたら、ドヤ顔間違いなしです。
というわけで、今日はそんなちょっぴり薀蓄博士になるための超簡単な2種の見分け方をお伝えします!
この2種には様々な同定方法がありますが、覚えやすく判別しやすいポイントを絞りましたのでどうぞ参考にしてみてくださいね^^
まず呼び方を押さえよう!ヒメジオン?ヒメジョオン?
植物に詳しくないと、そもそもこの呼び方を混同している場合が多々あります。
私もそうでした。
これは、漢字を知っておくとスパッと覚えることができます。
春紫苑(ハルジオン)
姫女苑(ヒメジョオン)
が正しい読み方と漢字。
それぞれの由来は
春紫苑⇒春に咲く紫苑(キク科の花)の仲間
姫女苑⇒説① 姫(かわいらしい)、女苑(中国にある花の名前)
説② 姫紫苑にしようと思ったが、すでにあったため字を置き換えた
と言われています。
「お姫様」は「女性」なので、「女苑=ジョオン」の方と覚えておけば間違えることはないでしょう。
ステップ① 咲く季節を知っておく
見比べるわけではないのですが、公園などで同定するうえでこれは地味に大切なことです。
この2種は開花時期が微妙にずれているので、実際に花を見て判別する際の予備知識、および結果の裏付けとして非常に有用です。
ハルジオン⇒4~5月ごろ
ヒメジョオン⇒5月~8月ごろ
その名の通り、春に咲くのがハルジオン。
初夏から秋にかけて咲くのがヒメジョオンです。
時期が被っているところもあるので季節だけで断定はできませんが、もし梅雨明け~秋になっても咲いているものがあったらヒメジョオンの可能性が高い と考えていいでしょう。(冬まで咲いてるつわものもいるようです!)
ステップ② 花びらに注目すべし!
さて、いざ花と対面した際に一番に見るべき点は花びらの色と形です!
こうして並べてみるとかなり違いのあるのがお分かりいただけると思います。
左の花びらがピンクっぽく、糸のように細いのがハルジオン
右の花びらが白くて多少幅がある(ちゃんと花びらっぽい)方がヒメジョオン
です。
注意したいのは、実際に野に出てみればハルジオンにも白いものはあるし、ヒメジョオンも人によっては薄桃色に見える場合があるということです。
なのでピンク=ハル 白=ヒメと安易に覚えるのではなく、個人的には花びらの形の方に重点を置いて判別した方がいいかと思います。
自信をもって同定するためには咲いているのを直接見て観察するのが一番ですが、あまり近くに咲いていないという方は以下にハルジオン・ヒメジョオンの画像がたくさんありますので判別練習してみてくださいね^^
ちなみに私は「純白姫のドレスはひらひら」と覚えています。
ドレスが糸みたいだったら困ったことになっちゃいますから・・・w
逆にハルのほうは「桜(ピンク)」「たんぽぽ(糸のような綿毛)」など春を連想させるものと関連付けると覚えやすいかと思います^^
それでも確信が持てない時は?
基本的にはこの2つのステップを押さえていれば大体判別できると思います。
が、それでも確信の持てない場合、確実な判定方法としては「茎を折る」というものがあります。
茎を折ってみて中が空洞になっているものがハルジオン、白いわたのようなもの(髄)が詰まっているのがヒメジョオンです。
あまり細い茎だと見にくいので太めのしっかりした茎のところで見てみましょう。
ご覧のとおり一目瞭然です。
とはいえ、判別のためだけに茎を手折るのはちょっとかわいそうなのでできれば見ただけで判別できるようにしたいものですね。
こちらの覚え方も人それぞれですが、私は「姫は(中身がつまっているから)重い」という非常に失礼な覚え方をしていますw
いやいや体重云々の話じゃなくって、ドレスとか着ると重くなりますからね!と言い訳をしてみる。。。
他にこんな同定方法もあります
個人的意見としては個体差や見え方もあるのでこれだけで判断するのは危険と思うけれど、覚えておけば参考になるであろうその他判別ポイントはこちら。
【葉のつき方】
ハルジオンは茎を抱くようにして葉をつけ、ヒメジョオンはまっすぐにつく。
また、ハルジオンは根元の方にも葉があるが、ヒメジョオンは根元にはあり葉はなくすっきりとしていることが多い。
【つぼみのつき方】
ハルジオンはつぼみが茎ごと下向きにうなだれることが多い。
対してヒメジョオンは比較的うなだれが少ないといわれています。
【背の高さ、花の大きさ】
一般的にハルジオンのほうが背が低く、花は大きくまばらにつく。
ヒメジョオンはハルジオンに比べるとスっと立ち、背が高く花の数が多い。
これは、前述の葉のつき方から受ける印象もあるかもしれませんね。
葉っぱの形もヒメのほうがスラっとしています。
以上、いかがでしたか?
基本は花びらの形と時期で判別し、解らない場合は葉、そして確信を得たいならば茎を折ってみるという順序でしょうか。
もし散歩中にハルジオンやヒメジョオンを見かけたら、是非意識して同定にチャレンジしてみるといいかもしれません。
きっとどちらか、わかった時に少し嬉しい気持ちになるはずですよ^^
18件のコメント
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[…] ヒメジオンは間違い?ハルジオンとヒメジョオンの違いと簡単な見分け方! 出典元 春になると地面を彩るハルジオンとヒメジョオン。 正直この二種類の花、とっても似ていますよね […]
解説が簡単明瞭で素人にも理解できる。
お返事遅くなりまして申し訳ありません。
コメントありがとうございました。
そういっていただけるととても嬉しいです!
どうもありがとうございました^^
ハルジョウオンとヒメジョウオンに関して
簡単明瞭な解説、更に写真まで添えて頂き、誠に有難うございます。
この時期迷う 春ジオンとヒメジオン よく分かりました
で~許可なく ブログに リンクさせて頂きました
この記事 日ずけを見ると 去年なんですね~
春と姫の違いで探してたらここに・・・
嬉しいお言葉ありがとうございます!
ブログにもリンクしてくださりありがとうございます^^
このふたつって似ていますよね。
お役に立ててよかったです!
本日、同じ種類だと思っていた2つが横並びに咲いていて、何が違うのかと検索したらこちらを見つけました。
葉の形が違うのと色が違う事しか所見で解らなかったので、助かりました。
コメントありがとうございます!
そう、実は違う種類なんですよね。。
お役に立ててうれしいです^^
子供に『このはな、なんていうの?』と聞かれ、ずっと名前も知らずにいた花の名前を調べていて、ここに辿り着きました。
名前は聞いたことがあったけど、花と結びついていなかったので知れてすっきりしました!
似てる2つの花の違いが分かりやすく解説されていてとても助かりました。
これで子供にも自信を持って教えてあげられます(^-^)
ありがとうございました!
コメントどうもありがとうございます!
実は私も子供に聞かれたのがきっかけで調べてみたんです。
お役に立ててうれしいです^^
道にハルジオンまたはヒメジョオンが咲いており「これなんだっけ、はこべ?母子草?」などと情けないことになっていましたが。まだいまいち覚えられてませんがヒメジョオンといえば子供の頃好きだった漫画「辺境警備」に名前が出ており「これがそうだったのか…」と感動しています。ありがとうございました。
コメントどうもありがとうございます!
好きな漫画に出てきたものの名前って意味も解らず覚えていたりしますよね・・・すごくわかります。
私も「沙羅双樹」を名前だけ知っていて勝手に「水蓮」の仲間かと思い込んでいたりしました^^;
少しでもお役に立てたようでとても嬉しいです!
ヒメジョオンは、我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある生物に指定されています。
コメントありがとうございます!
ご指摘いただき調べてみましたら、ヒメジョオンもハルジオンもどちらも要注意外来生物なんですね><
確かにアスファルトにも繁茂している姿はたくましく、在来種のニッチを奪ってしまいそうです。
セイタカアワダチソウなど、路傍でよく見かける植物で実は外来種であるものって他にもいろいろあるのでしょうね。
貴重なご意見ありがとうございました!
食べられる野草とある本で読んでから、種類の違いも判らぬまま、環境の良い陽だまりの中でびっしり固まって蕾もふっくらしている物を採取しててんぷらにして食べました。菊の香を残し本当に美味しく思い、家の庭に自然に生えたものをたまにてんぷらにしていますが大丈夫でしょうか?
娘がネットで調べ、貧乏草とあるよ、残念です。
とてもよく調べていらっしゃるのに感服しました。
覚えたとは言えませんが、私の頭の中で、理解できたとは言えます。
”雑草”という名の植物はないと言いますが、地味ながら春を彩る花たちですね。
判別が難しいので、自分のTwitterにリンクを貼らせて頂きました…ハルジオンは、食用になるらしいです…(ウイキペディアからです…)
すごく分かりやすい。説明の順番も内容も懇切丁寧で、秀逸です。熟練の職人みたいな解説だなぁ、と職人気質の人間としては感じ入りました。
役に立ちました ありがとうございます 感謝しかないです