ケイタオフウランという花をご存知でしょうか。
その名の通りランの仲間で、日本国内の鹿児島県・奄美大島にしか植生していない非常に希少な花のひとつです。
白く可憐な花がとてもかわいらしいですよね。
土に根を下ろすのではなく、他の植物の枝に巻き付く常緑着生植物で空中湿度の高い常緑広葉樹林の枝を好むといいます。
現在島で確認されている野生のものは30~40株しかなく、絶滅の危険度を示すレッドリストでは最も危険な絶滅危惧IA類に指定されているのですが・・・
なんとこのケイタオフウランが何者かに持ち去られる被害にあったかもしれないというのです!
(詳しくはこちら→奄美「幻の花」盗掘被害か 絶滅危惧、国内唯一の自生地)
奄美大島や沖縄の離島では希少な動植物が多く自生する一方で密輸・密売の格好のターゲットにもなっていました。
もし今回もそういった売買目的の業者による犯行だとしたら本当に許されないことですよね。
ところで、このように密猟された植物は一体どのくらいの価格で取引されるのでしょうか?
そして、犯人が摘発されたとしてこのランがもとの場所へ戻されることはあるのでしょうか?
少し気になったので調べてみました。
もちろん正規ルートでの売買は厳禁!
あたりまえですが、絶滅危惧種としてレッドリストに載る動植物の取引はかなり厳しい制限がかかります。
ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)によると、附属書Iに掲載されるような絶滅の恐れが非常に高い種については基本的に売買・取引はできません。
もししたい場合は輸出許可書・輸入許可書などの許可証が必要となり、一般では動物園や研究所間の学術研究および繁殖目的での取引が主となります。
準絶滅危惧種の水生植物やヤマユリなどはオークションサイトやネットのサイトで取り扱っている店もみられますが国による許可は必須です。
植物に関しては野生種はだめだが栽培したものならいいという場合も多いようです。
まあ原則として、野生絶滅の危険があるものを採集・盗掘するなんてもってのほかということですね。
取引価格は?
ケイタオフウランを含むランの仲間は、国内外に愛好家の多い植物です。
日本でもラン展などが定期的に開催されていますよね。
贈答用の高級胡蝶蘭などだと価格は100万を超えるものもありますが、原種のランの大体の相場は一株5000~30000円前後だそうです。
しかし絶滅危惧種ともなると「この種を栽培しているのは世界で自分だけ」という状況になってしまうかもしれませんし、もし秘密裡に売買がなされるとしても取引価格は正直予測できません。
というか、値段がつけられるものではないと思います。
失われた種はもう戻っては来ないのですから・・・
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もとの場所に戻れるの?
もし持ち去られたケイタオフウランが発見されたとして、奄美大島に戻すことはできるのでしょうか?
これは断定できませんが、多分難しいのではないかと思います。
一般的に密猟・盗掘目的でもとの生息地から離された動植物は、生息地域には存在しない病原菌や寄生虫・植物の種子などの付着のおそれがあるため還されることはないそうです。
植物に限らず昆虫や動物などにも同じことがいえますね。
もし見つかったとしても元の場所には還れないなんて…とても悲しいですが、こういった犯行を今後繰り返させないためにも是非発見されてほしいものです!