ツノゼミという虫をご存知でしょうか?
ツノゼミは、カメムシ目ツノゼミ科の生物で、世界で約600属3200種が記録されているセミの仲間です。
ただ、このツノゼミ、名前にもある“ツノ”がものすごーーーく変なかたちをしているんです!
こんなかんじです。
一瞬目を疑いますよね!
この上に飛び出た部分は胸部が変形したもので、生物学的には「ヘルメット」と呼ばれています。
ご紹介したもの以外にも、現存する3200種はそれぞれが本当に多種多様な進化を遂げ、一度見たら忘れられない形状となっており、その奇妙な外見はメディアで取り上げられるたびに話題となってきました。
生態としてはそんなに変わったところはなく、吸った樹液から作ったミツをアリやハチの仲間に与え、その代わりに守ってもらうという相利共生で生活する虫なのですが、なんせそのビジュアルが印象的・・・。
特異な形状や性質から、漫画「テラフォーマーズ」などにも登場しましたね。
では、そんなヘルメットの目的は一体なんなのでしょうか?
珍妙進化の理由を、とりわけ面白い種の画像と共にまとめましたのでどうぞご覧ください。
奇妙な外見をもつその理由とは?
ヘルメットの目的は、多くの生物によくみられる「擬態」だといわれています。
擬態とは、敵から逃れるためになにか他のもの(生物・無生物問わず)そっくりに姿を変えることです。
コノハチョウやハナグモなんかが有名ですよね。
調べてみると確かに、一部のツノゼミは確かに擬態しています。
【アリカツギ】
足をあげて立ち上がった臨戦態勢のアリに擬態。
【ハチマガイ】
ハチに擬態。
【バラノトゲツノゼミ】
集団で固まることにより、枝のトゲに擬態する。
【ムシノフンツノゼミ】
虫の糞に擬態。
ツノゼミの体長は一般的に5mm~1cmほど。
大変小さなセミなので、虫の糞への擬態もリアルですね。
木の葉でしょうか。
なるほど、確かに擬態が目的のようです。
様々なモノマネ、見事なものですね。
しかしですよ。
じゃあこれは・・?
これらは??
推測はしてみるものの、なぜこんな形状に進化したのかわからない。
中には研究者でさえも謎の形状をしているものもあり、これらは「過剰進化」ではないかと言われているそうです。
過剰進化とは、ある目的の為に進化していたはずがちょっとやりすぎちゃって本来の目的から逸脱してしまうこと。
角を大きくしすぎて戦いにくくなってしまうカブトムシやクワガタと同じです。
木や虫に擬態するはずが、調子にのっておもしろい形に進化しすぎちゃったんですね。
そう考えるとなんだかかわいいものです^^
日本にもツノゼミは16種類ほど生息しているそうです!
行楽などで自然豊かな場所へいった際には少し探してみても面白いかもしれませんよ^^